子どもがインフルエンザウイルスに感染した場合に処方することの多いゾフルーザについて解説します。
作用機序は
キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬
ウイルスが宿主細胞内でmRNAを合成する際に必要な酵素を阻害します。これにより、ウイルスの増殖を早期に抑制します。
効果は
A型・B型インフルエンザに効果があります。
単回投与で治療が完結するため、小児や投薬が難しい患者に利便性が高いです。
発症後48時間以内に投与すると、ウイルス量を迅速に減少させる効果があります。
利点は
1回の服用で治療が終了するため、服薬の負担が少ないです。
ウイルスの増殖を早期に抑えるため、感染拡大防止の観点でも有効です。
タミフルやリレンザと同様に、幅広いインフルエンザウイルスに効果があります。
キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害という独自の作用機序により、タミフルやリレンザに耐性のあるウイルスに対しても効果が期待できます。
問題点は
ウイルス量を早期に減少させる一方で、薬剤耐性ウイルスの出現リスクがタミフルやイナビルよりも高いとされています。
投与経験がタミフルやリレンザと比べて少ないため、長期的な安全性データが不足しています。
日本小児科学会はA型ウイルスの場合は12歳未満での投与は推奨していません。